ダミーヘッド三機種

本日はダミーヘッド締付けが3台そろった。

ダミーヘッド:シリンダーを加工する際にヘッド(やクランクケース)の位置に取り付ける冶具。

エンジン組立状態のシリンダーの歪みを再現した状態でシリンダーを加工することにより、組立後の歪みをキャンセルする効果がある。高精度のボーリング&ホーニング加工には欠かせない。ハーレーの業界ではトルクプレートとも云う。

まずはトライアンフ650 8本スタッドと云うそうだ。新品であるがクリアランス不足、精度もあやしいため、いきなり加工。加工しろが少ないためシリンダーボアの垂直度をチェック。中にはベース面に対して思いっきりナナメの物もあるが、今回の物はセーフ(傾いてる場合はボアを基準に芯出ししてベース面面研)

ダミーヘッド&ダミーベースをかませて、丸一日寝かせておき、月曜日にボーリング。

 

次、ZRX1100。MTCと云う国内ではあまり馴染みのないメーカーのピストンを用いる。

ピストンの梱包が、実にシンプル・・・本当にこのまんまで来るそうだ。

依頼主のショップさんは、MTCの国内代理店であるが、見た目を尊ぶ国内ユーザー向けに梱包の改善をメーカーに申し入れだところ、「ウチは中身で勝負。パッケージで性能は上がらない」と突っぱねられたとのこと。いや漢ですねー嬉しくなってしまいました。もちろん性能的に全く問題なしとのこと。

ダミーヘッド&ダミーベースをかませて、丸一日寝かせておき、・・以下同文。

 

 

最後、H.D.スポーツスター1200。シリンダーベース面及び上面を面研修正したうえでダミーヘッド締付けボーリング。

ハーレーに関して言えばボーリングの際にはシリンダーの上下面は必ず面研かけておいた方が良いです。ベース面はそっくり返っちゃってますし、ショベル(とそれ以前)はシリンダー長が前後で0.2㎜違うとかザラですから。

弊社ではシリンダーボアから芯拾ってベース面研しているので、ボーリング時.010オーバーで取りきれないことはほとんど無いです。いきなり.020OVでは勿体ないですし。

ダミーヘッド&ダミーベースをかませて、・・以下同文。

三台ともそれぞれ別のスペシャルショップ様からのご依頼ですが、全てシリンダーだけでなくクランク、ヘッド等エンジン丸ごと全ての加工依頼です。

職人として思いっきり腕の振るえる良い仕事を頂けるショップさんに、またその先のエンドユーザー様に、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

本日は結構こなせました。明日は休み。22時42分本日の業務終了。以上