2011年
10月
25日
火
カワサキ2St3気筒 クランク及びシリンダー加工のご依頼
クランクについてはウェブ外周にケガキ線が入っていたり等、過去にO/Hされた形跡あり
2011年
10月
21日
金
写真はH.D.ショベルヘッドのシリンダー、社外新品です。
精度が信頼できないので、いきなり0.005OVSでボーリングするとの事。表面だけサラッと削ってみました。
非常に複雑怪奇な当たりになっています。垂直度、円筒度、真円度がデタラメなのが見てわかります。
もちろんこの後規定寸法まで加工すれば全てきれいに取りきれましたが。Stdで組んでいればおそらくかなりの距離のナラシが必要だったかと。
割と良く有る質問「○○社の△△を組もうと思うのですが、アレってどうなんですかねぇ」
つまりは精度とか材質、耐久性、実際組んだ評判などを聞かれている訳だが、
答えは大体決まっていて、「一応測定して、必要であればキチッと加工修正してから組んだ方が良い」
つまりは一概に○○社のは良くて□□社のは劣るとかって事は言えなくて、ほとんど無名のメーカーの物で全く問題なかったり、逆に有名ドコロのブランドでおかしなのが混ざってたり等。
エンジン部品は新品を測らずに組むのはギャンブルですね。しかも当たってトントンで外れたら大ヤケドです。
2011年
9月
17日
土
しばらくブログ更新サボっていました。
ありがたい事に仕事の方がかなり入って来ていまして、忙しくしております
少し前に納めた、ショベルのシリンダーヘッド、リアEXのバルブガイド取付部のクラック修理
作業前の写真を撮り忘れたが、依頼主様のもとで既に溶接にトライし、断念してからの持込
鳩糞状態&熱変形でポート奥までクラック走っているというカオス状態でした。
正直、溶接の手直し仕事はあまり受けたくない。
そうでなくてもアルミ鋳物の、しかも古い奴は、油吸ってるわ気泡があるわで、あまり気が進まないのに
何とかごまかそうと下に不具合あるのに盛ってたり、不純物やら巻き込んでいたり、過大な入熱で母材が脆くなっていたり
今回も「助からない確率高いですよ」とお断りを入れてから作業に取り掛かった。
前回の溶接部分&クラック部までざっくり削り取ってから盛っていく訳だが、
ポート内などほとんどトーチが振れないので、段取りを間違えると後から余盛りという訳にもいかず
2011年
8月
22日
月
スバルの360cc軽用 左:純正 右:流用品
ポート位置がピストンピン方向に対して左右斜めにオフセットしている非常に珍しい形状
ボア61.5→66ミリで410ccになる計算
旧車等で、修理を行うに当たり「部品が無い」場合の対処法は
のいずれかになると思う
1について、解決まで先の見えない長い時間を費やすことを覚悟せねばならず、上手く見つかっても往々にしてプレミア価格だったりする
2、修理に要するコストと、修理後の品質性能の見極めが重要
また、既に充分実績のある技術・手法と、中には疑問符のつく手法もあるので注意を要する
3、物によっては、大量生産で数万個の数を作るのと、1個~数百個程度作るのでは単価が大幅に異なる場合がある
そのような訳で他機種流用というのはそこそこ需要がある
エンジン部品の事例として多いのが、ピストン、バルブ、コネクティングロッド・・・といった所
いずれも破損品の修理に向かない、製作するのにコストのかかる部分
また単純に欠品の代用だけでなく、排気量拡大、ビックバルブ等々スープアップとしての側面も大きい
ピストンの場合、ボア、ピン径、ピンハイト(コンプレッションハイト)、全長、ピストントップ形状・・・といった条件から検索していく訳だが、
2ストロークの場合、ピンハイトは燃焼室容積・圧縮比だけでなく、掃、排気ポート開口時期を規定し、
さらにスカートの長さ、形状が吸入ポート開口時期を規定する
多少であれば各部の加工で辻褄合わせる事が出来るとしても、条件に合った流用品を探し出すのは非常に困難である
また、最近の設計ではケースリード等が主流で、吸入側へ切欠きや開口があるものが多く、旧車に多いピストンバルブへの流用品探しは選択肢が非常に狭まる
故に今回のスバル360の様な特殊形状の流用ピストンが見つかるのは、奇跡と言っても差支えないと思われる
当社は流用部品のデータについて相当量の蓄積があるが、今回のように上手く見付かる事例は約8割といった所か
なお流用部品等による改造のいかなる結果も各人の自己責任である旨念のため書き置く
2011年
8月
11日
木
KAWASAKI KH400 空冷2st3気筒
未だ根強い人気でクランクのオーバーホールやシリンダー等良く入ってくる車種だが、今回はキャブレターインシュレーター部の修理
エア吸う→締める→変形する→エア吸う・・・・の無限ループに陥っている
2011年
8月
05日
金
トライアンフのタペットアジャスター
写真左のように虫食いになっているので修正研磨をおこなう。
右が修正研磨後。
今回この作業のために冶具を製作し、球面の半径ちゃんとを元通りに合わせて研磨している。
2011年
7月
27日
水
ヤマハJET760cc用クランク。
PWCも4スト化が大分進んできましたが、まだまだ2ストのこの手も根強い人気があるようです。
これからも長く大事に乗りたいのでキッチリO/Hとのこと。お任せください!
全てに共通する事ですが、特にこの手のクランクについては、「壊れる前に持ってきてください」という事です。
異音がする、あるいは一部の部品が完全に破損してからだと、修理しようと思っても必要部品がかさんだりあるいは修理不能となる場合が多い。
大破に至る前の適切な時期にオーバーホールを行い、消耗部品を交換し、適当に歪んだ部品を修正を行う事でその後の歪みが少なく、さらに高精度の組立、メーカーでは行っていないバランス修正を行えば、正直「新品を買う以上の価値があります」。
2011年
7月
27日
水
溶接肉盛り終了。
プラグ穴とシートリング穴は完全に埋めてしまいます。
電源の関係で深夜しか溶接出来なかったので(節電という訳ではない)、思ったより時間食いました。
既に製品となっている品物の補修溶接では、加工しろが十分取れませんので、歪みを少なく、また余盛りを充分に、アンダーカットの出ないように心がけます。
加工途中で「肉が足りない」というのは、脱脂からまた全部やり直しになってしまいますから、何としても避けたい。
そのような訳で写真の様なテンコ盛りになってしまいます。この辺りもう少し洗練されれば良いのですが・・・まだまだ精進が足りない様です。
色々気を使っているのですが、アルミ鋳物の、さらに使用品では油分等不純物を吸い込んでいてどうしても細かいブローホール等出てしまいますね。今回のは最小限に抑えられたと思います。
次回、NCにて燃焼室ドーム形状総切削加工へと進みます。
22時08分本日の業務終了。以上。
2011年
7月
25日
月
先週末の続き。
ボトムケース上側の受部も摩耗しているので修理。
オイルシール取付部と一体構造。内径拡大しブッシュ圧入する事も検討したが、肉厚不足のため丸ごと新規制作する事になった。リン青銅を使用。
この部分に入るオイルシールは、なんと皮革製とのこと。
2011年
7月
23日
土
戦前の軍用BMWのフロントフォーク修理。
何やら当時の革新的技術だとか技術史的に貴重だとか、御大層なモノらしいですが、
当方その辺のの能書きはサッパリ解りません故、何しろ目の前の物をキッチリ治すのみ。
2011年
7月
14日
木
「電池交換不要」って「内蔵蓄電池劣化しても交換不能」ってことでした。
ほとんど使って無かったのに・・・実働3時間くらい?仕舞いっ放しが悪かったか。
電池交換しようとこじ開けにかかったのですが樹脂充填されてて容易でない。
素直に買います。今度は電池交換できる奴で。
シートカッターに続き電気物立て続けに死亡。そう云えば両方ともスイス製でした。
21時58分本日の業務終了。以上。
2011年
7月
13日
水
先日の続き。冶具も完成し、適当に脱脂洗浄したので次の作業に取り掛かる。
まず計測。
バルブセット長は既に基準値ギリギリの値。
Z系は、ガイド入換・シートカットを行うとほぼ例外なくセット長が上限近く~オーバーし、シム調整で苦労することになる。
ステムエンドやキャップ内側、シムを削る事も出来るが、それとて限度がある。
シート当たり面は幅広~狭偏芯が多め。
2011年
7月
09日
土
スズキ単気筒のシリンダー。3万キロ強の走行という事である。
この表面状態は何だろう、クロスハッチは全く消え去ってしまいツルツルではないか。
寸法を測ると確かに摩耗は少ない?(リングの当たっていないところと、リングが当たりクロスハッチの消えている所の寸法差が少ない)。元々クロスハッチが浅く(深く入らない?)少しの摩耗で消えてしまうという事か?
元々オイル含浸の少ないメッキ素材に、クロスハッチが消えてしまったら・・・・ガクブルである。
2011年
7月
08日
金
現在入庫中のショベル1200。ロッカーアームの摺動面を研磨修正する。
修正前。
どうやら以前手持ち研磨?で修正を試みたらしい。
滑らかでなく(多面体状)、当たりも変。
2011年
7月
05日
火
Z系ヘッドのプラグホールは、必ずと言って良いほどクラックが入る。
「白バイ仕様は耐久性を上げるためプラグが細い対策品になっている」などという都市伝説がまことしやかに囁かれるほど。
裏を返せばそれくらいZのオーナーさん達はひび割れの無いヘッドを渇望しているわけで、ヨシそれならばひと肌脱ぎましょうというのが今回の趣旨。
その場しのぎのごまかし修理ではなく、長く乗れるきっちりした修理法の確立を目指す。
実証実験用にヘッドを御提供頂いたショップ様に感謝。
2011年
7月
04日
月
ウチは決してハーレー専門ではないのだが、このところハーレーの加工ばかり紹介している。
またハーレーで申し訳ない。今回はヘッド面研。視覚化出来るよう青ニス塗って加工してみた。
ショベルの場合大抵ボルト穴とEX側がせり出してきて、プッシュロッド側が凹んでいる。
こういう複雑な歪みはストレートエッジとシクネスゲージでは解りずらい。
もう少しでオイル穴から燃焼室にオイル吸い込みだすところ。
このように歪んだところで修正加工しておくと、その後の狂いが割と少ない。
「壊れたから直す」ではなく、精度出してより良いエンジン作りましょうよ、というお話し。
22時56分本日の業務終了。以上。
2011年
7月
02日
土
最近ハーレーばかりなので他車種を。
コンロッド小端部のホーニング。
クロスハッチを付けることにより、表面状態の改質による油膜保持性能の向上を狙っている。
オイル穴の面取りも施す。
明日は休み。床屋へ行かないといいかげん鬱陶しい。22時15分本日の業務終了。以上。
2011年
7月
01日
金
プラグ穴のねじ山がナメてしまっても、ヘリサートやら何やら簡単に入手できるようになったので、ご自分でされる方も多いと思いますが、結構不具合が多いです。
プラグは座面にガスケットワッシャーでシールされますが、適当に修理すると座面に対して垂直が出ていない→圧縮が漏れる→きつく締める→座面変形するといった具合
ひどい物になると、ヘリサート部が破損、もはや再度のヘリサートは不可能でさらに大がかりな修理が必要になる場合も。
写真は座面変形し圧縮漏れていたのを、ねじ山から芯拾って修正。
2011年
6月
30日
木
現在入庫中のH.D.ショベル1200シリンダー。
上下面修正面研の前に各々シリンダー長を計測。FRで0.15異なる。
これは無視できない数字でしょう。おそらく色々不具合出ていたのではないかと思う。
この後最小限の修正面研をかけたところ、Fシリンダーのほうが歪みが大きく差は0.2ミリとなった。
前後シリンダー長を合わせて仕上げ、ダミーヘッド(トルクプレート)をかまして数日放置し、じっくり歪ませておいてから、週明けにもボーリングの予定。
22時38分本日の業務終了。以上。
2011年
6月
27日
月
見積書、納品書を良くお褒め頂く。
作業項目を細かく記載してあり、解りやすいという事らしい
元々こういう風に教わっているので、特別な事をしているつもりはないのだが
「○○○一式」とかいう納品書もあるらしいですね。
破損や摩耗の状態で、作業内容はその都度変わってくると思うのですが・・・
21時26分本日の業務終了。以上。
2011年
6月
25日
土
H.D.スポーツスター カムカバーブッシュのボーリング仕上
使用するギアに合わせ、各ギア位置を座標で追っていく。
ブッシュのクリアランス、バックラッシュがきっちりでガチャガチャ言わない、うなり音も出ない、フリクションロス最小、非常にスムーズに回るカムギアトレインの完成
2011年
6月
24日
金
ブレーキキャリパーサポート?端面を追い込む仕事です。
フライスのセットを崩したくないので旋盤で。
少々アクロバチックですが、立ち上がり形状とか、面取りも楽。
精度それほどやかましくない時は案外アリですね。
本日外回り直帰。19時52分本日の業務終了。以上。
2011年
6月
23日
木
ハーレーのクランクケース 上面の修正面研。
ここはイケールでセットするか、横向きの機械でやるか・・・というのが普通の加工屋
これを見れば「ずいぶん面倒なことやってるな・・・」となるでしょう。
当社ではクランク軸の水平を出してから加工します。
なぜって?そりゃケースが歪んでるからです。
上面は必ずカム側が下がってます。何故かは解りませんが、常にプッシュロッドで突かれてるからではないかと思っています。
2011年
6月
21日
火
ショベルヘッド、先日紹介とは別の車両。
「ガイド入れ替えて暫く経ったが、オイル下がり?白煙」とのこと
確かにステムのガタはさほどでもない。とはいえ大体原因は読めるのでガイドはさっさと抜いてしまう。
2011年
6月
20日
月
営業時間を
10:00~21:00
日曜日定休
といたします。
これまで特に決めずにやってきたのですが、さすがに帰りが遅すぎるということで。
21時25分本日の業務終了。以上。
2011年
6月
18日
土
ハガレて痛い奴ではない。
旋盤チャックの爪。最初から付いてくる焼きの入った「硬爪・カタヅメ」に対して、ナマヅメと言う。
相手の形状に合わせ削って使うので、正確な芯が出る。
市販もされているが、こういう大きいのは自分とこで作る。
写真のはまだまだ控えめなほう。
良い仕事には良い道具が必要と言うお話し。
本日外回り直帰のため早仕舞。明日は休み。18時14分本日の業務終了。以上。
2011年
6月
17日
金
H.D.ショベルヘッド バルブステムエンドとロッカーアームの当たりが悪い。
画像は見ずらいが、プライマリー側の角が強く当たり、カジリかけている。
この個体だけではなく、ショベルは全て程度の差あれこうなる。
傾向が有れば、当然対策が有ります。お客様に連絡を取りロッカーBoxAssyを送ってもらうことになった。
2011年
6月
14日
火
芯出し修正及びバランス修正のご依頼。
振れ方から、「前回修正時にVブロックで見た」というのが解る。
クランクウェブが一部直線状に削ってあった。Z系は結構な数をこなしているが、このような加工が入っているのは初めて見る。バランス修正跡かとも思ったが、バランスは依然大きく狂っていたので、取ろうとして取りきれてないか、また別の意味があるのか、謎である。
2011年
6月
11日
土
本日はダミーヘッド締付けが3台そろった。
ダミーヘッド:シリンダーを加工する際にヘッド(やクランクケース)の位置に取り付ける冶具。
エンジン組立状態のシリンダーの歪みを再現した状態でシリンダーを加工することにより、組立後の歪みをキャンセルする効果がある。高精度のボーリング&ホーニング加工には欠かせない。ハーレーの業界ではトルクプレートとも云う。
2011年
6月
09日
木
Norton 2気筒のロッカーシャフトスピンドル 0.3ミリと0.5ミリOVS
ヘッド側がそこまで摩耗する個体もあるのです。
油溝は通常NC旋盤かマシニングで同期させてか・・・という感じでしょうが、
数も少ないので汎用旋盤で切りました。
少ないとはいえ、熱処理に持っていくのに1本では寂しいので計10本製作。
ほとんど苦行の世界です。
ヘッド、ロッカーアーム側の他の加工とあわせて、やっと元が取れるかどうか・・・。
本日は外回りのため早仕舞。19時8分本日の(工場での)業務終了。以上。
2011年
6月
07日
火
意外と「メッキシリンダーにホーニングは×」という言説が未だまかり通っているわけですが。
もちろん焼付きキズダラケのをホーニングで修正しようったって無理な話ですが、
メンテナンスとして表面状態の改質としてのホーニングは積極的にお勧めしたいと思うのであります。
写真はスノーモビルプロショップからご依頼のポラリスのシリンダー。消えかけのクロスハッチを再生。オフシーズンにしっかりメンテナンスしておけば安心でしょう。
メッキシリンダーに限らずホーニングの現場は、砥石の選定、ホーンの管理調整等々結構気を使います。
あと、フ○ックス○ーン(ブドウみたいな奴)や、輸入工具屋で売ってるドリルに付ける奴は、正直いじり壊してるに等しいですから。悪いこと言わないので是非止めて頂きたいと思います。
21時30分本日の業務終了。以上。